伝統と諧謔の交差点。箱根で出会った「野口哲哉」という唯一無二の才能

広大な敷地に心を奪われるアートが広がる箱根「彫刻の森美術館」。今回は、以前から気になっていた箱根で開催中の「野口哲哉 鎧を着て見る夢」展を目的に訪れました。
1. プロローグ:箱根の静謐な空気の中で
三拠点生活を送る中で、私にとって大切な時間の一つが「アートに触れ、感性を整えること」。

一歩足を踏み入れると、
そこには私がこれまで抱いていた「武士」や「鎧」のイメージを心地よく裏切る、自由で多彩な世界が広がっていました。

2. 「多彩」という言葉がふさわしい表現力
野口さんの作品を初めて拝見して驚いたのは、その表現の幅広さです。

重厚な立体造形(フィギュア)があるかと思えば、繊細なタッチの絵画もあり、そのスタイルも日本画風からアニメーションを彷彿とさせるものまで……。

特に印象的だったのは、本物と同じ工程で作られているのではないかと思わせる、精巧な甲冑の質感です。

そのディテールへのこだわりからは、伝統への深い敬意を感じずにはいられませんでした。
また作品の工程も拝見できました!

作業風景も動画で垣間見れたよ!

3. 伝統の中に溶け込む「現代」の遊び心
さらに面白いのが、その「組み合わせ」の妙です。
厳かな鎧を身に纏っているのに、手元にはシャネルのロゴが入ったバッグがあったり、

腰には青い浮き輪、

そしてルージュ。鎧も見てみて!かわいい花柄よ♡

「武士=厳格」という固定概念を軽やかに飛び越え、現代のモチーフを違和感なく、むしろ必然のように取り入れる諧謔(かいぎゃく)精神。

鎧を着ている彼らの表情も、どこか異国情緒を感じさせたり、物憂げだったりと、まるで私たち現代人の心の機微を映し出しているかのようです。

4. 空間そのものが語りかける展示の魅力
展示の仕方もまた、一つの作品のようでした。

整然と並ぶのではなく、ある時は無造作に、ある時は緻密に計算された配置。大きな作品から、思わず覗き込みたくなるような小さなものまで、歩を進めるたびに新しい発見があります。
「鎧」という強固な殻の中に閉じ込められた、人間の柔らかさや弱さ、そして愛嬌。 それらが展示空間全体から伝わってきて、時間を忘れて見入ってしまいました。

5. おわりに:時代を超えた「夢」を見る
完璧主義な自分を少し緩めてくれるような、そんな「遊び心」の大切さを教えてもらった気がします。

こちらの展示は、最終日には野口さんご本人のトークショーやサイン会も予定されているとのこと。

伝統技法に裏打ちされた確かな技術と、現代的な感性が共鳴するこの素晴らしい世界観。ぜひ箱根の美しい景色とともに、多くの方に体感していただきたい展覧会でした。

写真撮影について
個人利用を目的とした場合に限り可能。
室内展示場での動画撮影:NG
ライブ配信:禁止
商業目的での写真・動画の公開(ウェブサイト・SNS・出版物など):NG
室内展示場での三脚、自撮り棒の利用はご遠慮ください。
ドローンの使⽤はご遠慮ください。
長時間での撮影など、まわりのお客様や作品への配慮を欠く行為はご遠慮ください。
ミュージアムショップ
あり
開催情報

彫刻の森美術館
野口哲哉 鎧を着て見る夢
@thehakoneopenairmuseum
@tetsuya_noguchi_art
U R L:https://www.hakone-oam.or.jp/
会 場:彫刻の森美術館 本館ギャラリー
参加費:無料(別途、入館料が必要となります)
会 期:~ 2026年1月12日(月・祝)
住 所:神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
最寄駅:
【バス】小田原駅・箱根湯本駅 H・J・Z の行先表示乗車→二の平入口バス停下車、徒歩6分
【電車】小田原駅→箱根湯本駅→箱根登山鉄道「彫刻の森」駅下車、徒歩2分
時 間:9:00〜17:00
入館料:2,000円
